社会福祉法人 桑友

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研修会報告「被災体験から学ぶ防災対策」

こんにちは。

虹の元会から研修会の報告です。

 

「被災体験から学ぶ防災研修」と題して、福島県相馬市・南相馬市からお二方の講師をお迎えして、お話をお聞きしました。

 

たくさんの方にご協力・ご参加いただき、満員の会場となりました。

 

 

第一部は高野さん。震災当時、南相馬市役所の防災課におられました。

 

 

高野さんからは、東日本大震災・原発事故における南相馬の被災状況、そして現在の状況などをお話いただきました。

津波による人的被害、住家被害。パニックの中での避難の様子、ガソリン不足、流通・街・自衛隊・マスコミなどすべての機能が止まってしまう様子。犯罪の横行。そんな中、(避難せずに残った一部の)消防団や役所の方々の苦労など。

 

そういった経験から高野さんが伝えてくださった教訓は、下記3点でした。

 

①震災発生時、多くの命を救うためには「遠くの親戚より近くの他人」が大事

②広域の避難が必要となった場合には「遠くの親戚」も大事

③避難が長期化する場合は「遠くの他人」も大事

 

発生時に被害を最小限にするために近くの人たちで協力し合うことがまずは大事。そして被害が長期化するとそれによるストレスや過労も大きく、自分に最適な避難生活を確保するためにも、遠くの親戚・友人・関係者・他人などの繋がりも大切だということです。

 

 

第二部は、就労支援B型事業所「工房もくもく」の所長の佐藤さんのお話です。

 

 

工房もくもくで作られたペンを持っていただきました。

 

 

佐藤さんからは、災害時における障害者や福祉の状況をお話いただきました。

 

佐藤さんは通所の事業所なので、災害時は利用者の方を保護者の方へ安全に確実に引き渡すことが必要になります。

日頃の連絡先(固定電話や携帯電話)はつながらなくなるので、ショートメールやSNSなどを活用されるそうです(リストを送迎車に常備)。

日頃の防災訓練に加えて、「連絡訓練」も行い、実際につながるか確認されているとのことです。

 

避難所については、差別もないが、配慮もないという状況のようです。避難所の大変さは、想像に難くありません。福祉避難所についても、場所は設定されているけど、ハードもソフトも機能していない。そもそもそこまで移動ができなかったりと難しい状況のようです。

 

それから、事前に支援者や家族の方から「災害時に薬がどうなるか」という心配の声もありました。医療関係者も避難していますので、医療機関、薬局など閉鎖している状況です。相談支援や福祉事業所も機能できません。薬自体が手に入らない状況ですが、お薬手帳を持っていると処方箋がなくても薬が出る場合もあるようです。

 

事前の告知のブログにも記載しましたが、なかなか起きるかわからない災害に対して日常の労力を割くというのは難しいことです。

無理なく防災に取り組むには?そもそも災害自体が起こらないようにすることができないだろうか?などいろいろ考えました。学びっぱなしやりっぱなしの研修にならないように今後も継続して防災に取り組んでいきたいと思います。

 

この研修会の模様やアンケートの様子は、後日発行する「虹の元つうしん」にも掲載予定です。

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